海潮音 上田敏訳 ギィ・シャルル・クロオ


z9978.jpg


譫語 ギィ・シャルル・クロオ

 
新しき美をわれは求める。
墓の上に遠慮無く舞踏するわれらだ。
爾等 はモツァルト、ラファエルを守れ、
ベエトホヴェン、シェイクスピア、マルク・オオレルを守れ、
われらは敢て異端の道を擇ぶ。
爾等の旌に敬禮しようや。
もし古の俊傑が復活するとならば、
このわが身中に、このわが血液に 
甦るべし。
爾等の見窄らしい 
繪馬の前に、
なんでこの身が、 
額づき祈らう。
むしろ、われは 
大風の中を濶歩して、
轟き騷ぐ胸を勵まし、
鶫鳴く葡萄園に導きたい。
沖の汐風に胸ひらくとも、
葡萄の酒に 
醉ゑとも何のその
古書に傍註して之を汚す者よ、
額づき拜せ、われは神だ。
われ敢て墓の上に舞踏して憚らぬ所以のものは、
全世界の美、われにとりては、
朝毎、朝毎に、新しいからだ。

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

370815hideto

Author:370815hideto
英人の単車魂へようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
Twitter
ここからどうぞ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR